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社会不安障害

社会不安障害は、他者からの評価や注目を過剰に恐れることによって、日常生活に支障をきたす精神疾患です。ここでいう他者とは、親密な関係の人や赤の他人ではなく、クラスメイトや同僚などの関係性にある人物です。人前で発言をしたり、食事をしたりすることに対して強い不安や恐怖を感じることが特徴です。その結果、多くの場合、仕事や学校生活、人間関係に影響を及ぼします。一般的に、思春期から20代にかけて発症することが多く、男女差はほとんどありません。新型コロナウイルス感染症の流行によりマスクの使用や対面での接触機会の減少があり、若い人を中心に増加したと言われています。

症状について

  • 強い不安や恐怖感: 他者から否定的に評価される可能性に対する過度な心配
  • 身体的症状: 心拍数の増加、発汗、震え、顔の紅潮、息苦しさなど
  • 回避行動: 恐怖を感じる状況を避けるために、人前での発表や社交的な場に参加することを避ける

当院で行う治療について

パニック障害の治療は、薬物療法、精神療法を組み合わせて行います。

①薬物療法

抗不安薬や抗うつ薬が使用されます。これらの薬剤は発作の頻度を減らし、不安感を和らげる効果があります。抗うつ薬は高容量が必要なことが多く、効果が出るまでの時間を要することも多いです。抗うつ薬の効果が出るまでの間には、抗不安薬を用いることもありますが、こちらはひと月程度の使用にとどめることが理想的です。また、抗うつ薬は吐き気が出現したり、処方直後には逆に不安感が強くなることなどもありますが、使用とともに1週間程度で軽減することが多いです。薬物療法を行うかどうか、増量のスピードなどについては相談し決めたいと思います。

②精神療法

社会不安障害への精神療法では、認知行動療法的なアプローチを行います。解決したいことを明確にし、そこに向けて、不安階層表を使用しての取り組みなども行います。診察の中では、他者からの評価を気にし過ぎてしまう状態に至った経過なども一緒に考えていきたいと思います。その過程では、社会不安障害の発症の過程に発達障害やトラウマなどがあることが分かる場合もあり、背景に応じた対応をいたします。また、こちらについては、パニック障害の治療と重なる部分が多く、パニック障害中の【当院で行う治療】②精神療法も参考になる部分もあるかと思います。

※精神科の病気は個別性が高く一律な治療は難しいため、こちらの内容は当該患者様全てに上記の診療を保証するものではありません。

【参考文献】

不安階層表

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