不眠症・睡眠障害
睡眠障害とは、睡眠の質や量、リズムに問題が生じ、日常生活に支障をきたす状態を指します。睡眠不足は日中の眠気や疲労、注意力や判断力の低下、さらには肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管障害などのリスクを高めるとされています。また、令和元年の国民健康・栄養調査によれば、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は、男性で37.5%、女性で40.6%に上り、特に30~50歳代でその割合が高いことが示されています。
睡眠障害は睡眠自体の問題が原因で生じることもありますが、実際には睡眠だけが問題となっていることは多くありません。ほとんど全ての精神疾患の症状としても出現するため、原因は多岐に渡ります。
当院で行う治療について
診断と治療の二段階になります。
①診断
まず睡眠自体が問題なのか、それとも他の疾患の発症に伴って出現している症状なのかの診断を行います。問診の結果、精密検査(脳波検査、ポリソムノグラフィ検査など)が必要と判断された場合には、東北大学病院精神科や近隣の内科様をご紹介させていただく場合がございます。診察の結果、うつ病や適応障害など他の疾患の症状であると判断された場合には主診断に基づいた治療を行う方針となります。
②治療
まずは『健康づくりのための睡眠ガイド2023』にもあるように、睡眠衛生指導を行います。その上で状況やご希望を踏まえ、睡眠薬の処方を相談させてください。睡眠薬の処方は依存性がなく、安全性が高いものから使用させていただきます。お車を運転される場合には処方できる薬に制限があるなど、患者様のご希望に添えない場合もございますのでご了承いただけますと幸いです。
※精神科の病気は個別性が高く一律な治療は難しいため、こちらの内容は当該患者様全てに上記の診療を保証するものではありません。
【参考文献】