トラウマ関連障害(PTSD)
PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)は、強い精神的衝撃を受けた後に生じる精神障害の一つです。自然災害、暴力、虐待など、命の危険や深刻な恐怖を伴う体験をした場合に発症することがあります。このような出来事を"トラウマ"と呼び、トラウマ体験が心に深い傷を残すことで、PTSDの症状が現れることがあります。
PTSDの症状は大きく3つの特徴に分けられます。
症状について
①再体験症状
トラウマ体験が、突然フラッシュバックのように頭に浮かんだり、悪夢として繰り返し現れたりします。これにより、強い恐怖や不安を感じ、日常生活に支障をきたすことがあります。
②回避・麻痺症状
トラウマを思い出させる状況や場所を避けるようになります。また、感情が麻痺し、喜びや興味を感じにくくなることがあります。これにより、家族や友人との関係が希薄になることもあります。
③過覚醒症状
常に緊張している状態が続き、眠れなくなったり、些細なことでも過剰に驚いたりします。集中力が低下し、イライラしやすくなることも特徴的です。
その他にも興味や関心が保ちにくくなったり、周囲との疎隔感や孤立感を感じるなどの多岐にわたる症状が出現します。
当院で行う治療について
当院で行うPTSDの治療は精神療法と薬物療法です。
①精神療法
患者様の多くは初めから症状の原因がPTSDによるものであると分かって来院されるわけではありません。診察を通して、今の状態にトラウマ(逆境)体験がどのように影響を与えているかを一緒に考えていけたらと思います。話しづらい内容も多いことと思いますので、その場合はなるべく患者様のペースに合わせてお話を聞ければと思っています。
②薬物療法
PTSDを根本的に治療する薬はありません。対症療法的に漢方や睡眠薬などを処方することになります。
※精神科の病気は個別性が高く一律な治療は難しいため、こちらの内容は当該患者様全てに上記の診療を保証するものではありません。