ご挨拶
患者様一人一人の価値観を重視したい
治療は診察室だけで行われているわけではない
ホームページをご覧いただきありがとうございます。
木町通メンタルクリニック Olive の
院長 尾之内 勇治と申します。私はこれまで大学病院、県内の精神科医療の中核病院で研鑽を積んでまいりました。そこでは、患者様からお話を伺うことはもちろんですが、ご家族、会社の方や行政の支援者の方などからもお話を聞く機会が多くありました。また、患者様と一緒にグループホームの施設見学に行ったり、作業所に話を聞きに行ったりなどの実際の生活の場を見る機会にも恵まれました。
診療以外には、患者様のセルフスティグマについての研究を行なっていました。少し専門的な話になりますが、セルフスティグマとは、『自身にレッテルを貼りそれに基づいてよくない評価を下してしまうこと』を指します。精神科の疾患は目で見てわかるものではなく、無形です。無形がゆえに想像が広がります。それは自分に対しても起こりうることなのです。自分で自身に対してよくない評価を下してしまうことは、幸福感の低下に直結しとても辛いことです。科学は有形なものを扱うことは得意ですが、無形なものを扱うことは苦手です。科学をベースとした知識のみで治療をしている際に感じていた、「実際の患者様の幸福との乖離」について考える機会となりました。
これらの経験は、私の診療のスタイルに大きな影響を与えたと思います。まず、患者様の幸福に、より直結する患者様それぞれがもつ価値観を重視したいと思うようになりました。患者様の実際の生活の場を大切に考え、なるべく具体的に想像できるように努めてきましたので、そこで養われた想像力を以て、価値観を適切に汲み取り治療に反映させたいと思っています。病気を診るのではなく、人を診ていきたいと考えています。
最後になりますが、患者様が勇気を振り絞って受診を考えていただくタイミングは、とても傷ついていたり、心がすり減っていたり、何かを変えようと思っていたりする時だと思っています。そういった気持ちを理解し受け止め、何か力や支えになれる診療を心がけたいと思いますので、ぜひ心のことでお困りの際には当院にいらっしゃってください。
院長 尾之内勇治
略歴
2019年 | 東北大学医学部卒業 |
---|---|
2019年 | 中部労災病院にて初期研修医として従事 |
2021年 | 東北大学病院精神科に従事 |
2022年 | 宮城県立精神医療センターに従事 |
2023年 | 名取市こころの相談の業務委託を受託 |
2024年 | 東北大学病院精神科に従事 |
2025年4月~ | 木町通メンタルクリニックOliveを開院、東北大学大学院入学 |
所属学会・資格
- 日本精神神経学会精神科専門医
- 日本社会精神医学会
Oliveの花言葉
Oliveの花言葉は、「平和」 と 「知恵」
です。
「平和」の由来は、旧約聖書にある『ノアの方舟』という物語から来ています。
この物語の中で、堕落した人間に失望した神は大洪水を起こし、動植物を全て滅ぼしてしまうのですが、善人であるノアやその家族たちは船に乗ることで助かります。洪水が収まる頃、ノアが船からハトを放つと、舞い戻ったハトの口にオリーブの若葉がくわえられており、そのオリーブを見て、地上に緑が芽吹き平和が戻ったと実感したことから「平和」が花言葉になったそうです。
Oliveに込めた思い
「平和」
患者様や患者様の周りの人々の平和(穏やか)な人生を共に目指したい「知恵」
平和(穏やか)な人生を得るためには、正しい知識や対話できる相手、落ち着ける場所が必要であり、そんなクリニックでありたいという気持ちを込めて名付けました。
精神科の患者様は他者からの偏見やセルフスティグマ(自分への偏見)を抱えて生きていることが少なくありません。
例えば、「あの人は精神科に通っているから関わりにくい」や「自分はうつ病と診断されたから何もできない」といった精神科や病名のイメージから判断されてしまう、してしまうことがあるのです。
しかし、私たち精神科医の多くはそれらを持たずに人と接することができる場合が多く、その理由が「病気の正しい知識を持っているから」なのです。正しい知識(知恵)を持つことで、まず傷ついた患者様を受け入れたいと考えています。
そして、その後は患者様個人の目標に合わせて、穏やかな生活を共に目指していきたいのです。患者様や患者様のご家族が安心して過ごすことのできる場所、力を蓄え進むことのできる場所でありたいと考えています。
ロゴマークに込めた思い
オリーブの実(当院)とハートの実(患者様の心)で、寄り添い対話ができる関係を表現しています。
周囲を囲む線は、上に向かって飛んでいくハトのモチーフを表現しています。
また、それを末広がりの形にすることで患者様の明るい未来が上へ上へ続いていくさまと、すそ部分にクリニック名を配置することで、当院はそんな患者様を支える場所でありたいという意味を込めています。